若狭地方 最大の秋祭り 放生祭
更新日:2024/07/25
「放生祭」は福井県小浜市で開催される、山車や大太鼓、神楽、獅子の4種類の演し物が町中を巡る380有余年の歴史を持つ若狭地方最大の秋祭りです。
目次
放生祭とは
放生祭は八幡神社の例祭で、古くは放生会(ほうじょうえ)(殺生を戒め、捕らえられた魚や鳥を池や山野に放つ儀式)が行われており、今でも「放生祭」(ほうぜまつり)の名で親しまれています。
祭りの内容は、廣嶺神社の祇園祭を明治以後引き継いだもので、廣嶺神社の祇園祭は、中世京都の祇園祭の影響を受け、江戸時代から行われていたと考えられています。
江戸時代には、三基の神輿が小浜八幡宮内のお旅所へ向かう時に、棒振り太鼓・神楽・三匹獅子舞が供奉し、7日後、神輿が廣嶺神社に還御する際には、小浜の町民たちは華やかな練物や山車を曳き、長大な行列をしたてて従ったそうです。
現在の「放生祭」は、明治維新後、氏子の地域割りが変わり、小浜町民は小浜八幡の例祭「放生祭」に参加することになり、御神輿のほか、山車(囃子)、神楽(太鼓)、棒振り太鼓、獅子(三匹獅子舞)の4種類の芸能を奉納するようになり、明治中期からは徐々に賑わいを取り戻し、現在に至っています。
これらの演し物は江戸時代に小浜城下の町人居住区であった24区が担当し、隔年で12区ずつが出ています。中には、江戸時代の祇園祭礼の頃から300年以上の歴史を持つものもあります。
演し物について
放生祭は4種の演し物があります。ひとつの祭りに4種の演し物が出る、全国的にも珍しいお祭りで、福井県無形民俗文化財にも指定されています。
9月に入ると小浜市の各所で稽古が始まります。夜になると至るところから笛や大太鼓の音色が聞こえてくるのも風情があっていいです。稽古風景を見にいくこともできます。お近くの稽古場をチェックしてみてください。
山車(清滝区・今宮区・竜田区・飛鳥区・塩竈区・生玉区・酒井区・貴船区・浅間区)
飛鳥区の舞台型山車を除き、すべて屋根付二階造り、一階前部に出囃子を張り出す。十数曲から二十数曲の囃子を持ち、一階には大太鼓・小太鼓、二階には笛の囃子方が乗り込み道行きする。神社や各区の本陣前では、出囃子で子供二人が小太鼓を打つ。江戸時代、祇園祭礼の頃の山車は、「布袋山」・「大黒山」・「行者山」など人形を飾った山車であった。
大太鼓(広峰区・住吉区・大宮区・鈴鹿区・大原区)
直径90cmほどの大きな太鼓と5~7個の鉦による大音響の囃子に合わせて二人一組または、三人一組の棒振りが勇壮に立ち回る。また子供や青年が披露する大太鼓の曲打ちも見所。
最も歴史の古い住吉区の大太鼓は先頭に傘鉾(笠鉾)が行く。傘鉾と棒振り・囃子が一団で動いていく姿は、京都祇園祭に出る綾傘鉾や四条傘鉾に似ている。
神楽(神田区・白鳥区・津島区・鹿島区・白髭区)
神楽の本屋台では囃子頭が載るが、囃子舞いはなく、優雅で繊細な音律の神楽囃子を聞かせる。本屋台の大小二つの太鼓と笛の囃子で道行きし、神社や各区の本陣では、前屋台の二つの小太鼓と笛の囃子を奉納する。江戸時代の祇園祭礼の頃から中西町(現 鹿島区)の「神楽太鼓」として出ており、他の四区も鹿島区から伝習したと言われている。
獅子(玉前区・日吉区・多賀区・男山区)
老若二匹の雄獅子と一匹の雌獅子が笛と歌に合わせて、胸につけた締太鼓を打ちながら舞う。この三匹獅子舞は、藩主酒井忠勝が旧領地の武州川越から演者を連れてきたもので、江戸時代の祇園祭礼には武家「関東組」の人々によって演じられていた。
明治維新後、一番町(雲浜獅子)と、この放生祭に奉納する四区が習い伝え、伝統を守っている。
神輿(香取区)
放生祭に出る唯一の神輿で、2年に1度、八幡神社のご神体を奉載してう氏子各区を巡る。
もともと八幡神社にあったものを香取区が譲り受け、巨額を投じて修理をした。
放生祭の見所
本陣披露(各区本陣)
25区の本陣へ出番各区の演し物が演技を披露しに廻ります。
※各区の本陣は、一対の八幡神社の鳩の提灯と掛け軸や祭神でのお供え物などが飾り付けられます。
宮入り(八幡神社)
両日とも午前8時より、順次宮入りが行われます。各区の演し物が奉納されます。
集結共演(まちの駅・旭座付近)
出番12区の演し物が、まちの駅付近に一同に集結!
今年は初めて、1日目の夕方に演し物同士での共演が幕を開きます。
その名も「宵宮勢揃い(よいみやせいぞろい)」。これは必見です!
14日(土)16:00頃からです。
毎年9月に開催される年に一度の若狭地方最大の例祭「放生祭」を見に、ぜひ小浜市にお越しください!