小浜の老舗「福井缶詰」さんの工場へ潜入取材 地元民に愛される味と話題の宇宙食をレポート
更新日:2026/04/07
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かつて「御食国(みけつくに)」として知られた小浜市で、今もなお全国の食卓を支え続けている一軒の工場があります。レトロで可愛らしい人魚のロゴ「マーメイド印」でおなじみの福井缶詰さんです。
今回は、私たちが普段何気なく手に取っている鯖缶が、どれほどの手間と愛情をかけて作られているのか。その舞台裏を特別に見せて頂けるということで、福井缶詰の工場を取材してまいりました。
また、記事の最後では、福井缶詰さんの鯖缶で個人的に好きな味の紹介と、月9ドラマ【サバ缶、宇宙へ行く】(フジテレビ系)の舞台になったことで今、話題の小浜の鯖缶をレポートします。ぜひ最後までご覧ください。
小浜の海から世界へ。歴史と「ノルウェー産」へのこだわり
今回訪れたのは、福井県小浜市川崎にある「福井缶詰」さん。

鯖缶やカニ缶、サーモン缶などさまざまな商品を製造している、小浜市の老舗会社さんです。鯖缶を作っている工場の取材をさせていただけるということで、お邪魔してきました。
工場に着いてまず目に入ったのは、まるまると太った美味しそうな鯖。

かつて福井缶詰さんでは、地元・小浜産のサバを使って鯖缶を作っていました。しかし、時代の流れとともにサバの漁獲量が減少し、一時期は鯖缶作りを断念せざるを得ない状況に追い込まれたそうです。
「それでも、やっぱり鯖缶を復活させたい」
その強い想いから、国内中のサバで試行錯誤を繰り返しましたが、求めていた理想の味にはなかなか辿り着けませんでした。そしてようやく出会ったのが、遠く離れたノルウェーのサバだったのだとか。

ノルウェー産のサバは、頭や内臓が小さいため、その分身がしっかりと取れるのだそう。また、何より脂の乗りが抜群で、缶詰にしたときにパサパサせずとてもおいしく仕上がるのだと教えていただきました。
「機械+手作業」が美味しさの秘訣
工場の製造ラインを拝見して、一番驚いたのは「人の手」が入る工程の多さです。工場と聞くと、ほぼすべてのラインが機械化されているのだろうと思っていたのですが、そうではありません。
どこに人の手が入っているのか、缶詰ができあがる手順に沿って見ていきます。
①苦味を消す「血合い取り」
まずは特注の機械で頭と内臓を取り除きますが、そこからが職人さんの出番。残った血合いを、一つひとつ丁寧に手作業で取り除いていきます。

この「血合い取り」を徹底することで、サバ特有の苦味や臭みが一切ない、澄んだ味わいが生まれるのだそうです。
②缶をひっくり返しても落ちない「手詰め」
血合いを取り除いた後は、機械で均一な大きさにカット。

カットされたサバは、規定量に収まるよう、これまた手作業で缶に詰められていきます。

大きさを見極めながら素早く詰め込んでいく様子は、まさに職人技。福井缶詰さんの水煮や醤油味の缶は、蓋を開けてひっくり返しても中身が落ちてこないほどみっちり詰まっていますが、これは機械では不可能な「手詰め」だからこそ成せるわざなのだなと感動しました。
③汁を透明にする「脂取り」
詰め終えた缶は蒸し器へと流れていきます。驚いたのは蒸し上がった後です。蒸したことで浮き出た余分な脂を、手作業で一つひとつ丁寧に取り除いていくのです。

余分な脂を取り除くことで、缶を開けた時の汁が濁らず、キラキラと透明で綺麗になるのだとか。このひと手間が、見た目の美しさだけでなく、雑味のない洗練された味につながっているのだと実感しました。
④安心・安全を支える「菌チェック」
味付けの後は専用機械で真空・殺菌・加熱処理。圧力をかけることで骨まで柔らかく仕上げます。最後は異物チェックを経て梱包されます。

また、完成した商品は必ず専用の部屋で「菌がいないか」を徹底的にチェックされているとのこと。
多くの人の手が入り、さまざまなチェックを経てから私たちの食卓に届いているのだなと思うと、一缶の重みがこれまでとは違って感じられました。
「手詰め」の光景や職人さんの真剣な表情を思い出すと、ただの保存食ではない「誰かの想いが詰まったごちそう」をいただいているような、温かい気持ちになりますね。
家族みんなが笑顔になる「マーメイド印」の缶詰
工場の熱気を目の当たりにし、居ても立ってもいられなくなった私は、帰り道にスーパーへ直行。

お気に入りの「水煮」「味噌煮」、そして話題の「宇宙鯖缶」を購入しました。
3歳・5歳の子どもも夢中になる「味噌煮缶」
まずは味噌煮をそのままお皿へ。鯖の旨味がギュッと凝縮されていて、濃厚な味噌の香りと見事にマッチしています。

骨までホロホロに溶ける柔らかさなので、小さな子どもたちも「美味しい!」と大喜びで完食してしまいました。
味噌煮缶は夕食のメインにも、お酒のアテにもなるので、困ったときの一品としてよく自宅に保管しています◎
料理の旨味を引き立てる名脇役の「水煮缶」
水煮は程よい塩味が付いているので、アレンジ料理に使うのが我が家の定番です。

特におすすめは、白菜と一緒に甘辛く炊く「鯖缶の煮物」。煮物に入れると魚の旨味が野菜の芯まで染み込み、驚くほど深い味わいになります。

他の会社さんの鯖水煮缶でも作るのですが、福井缶詰さんの水煮缶はひと味違います。特に違うのは、身のぷりぷり感です。普通は煮てしまうとボロボロ・パサパサになってしまうのですが、福井缶詰さんの水煮缶は煮ても身がふっくら・ぷりぷりとしているんです。
特に何も言わずに食卓に出したのですが、「これ、美味しい鯖缶のやつでしょ」と、夫もひと口で違いに気が付くほど。
煮物のほかにも、炊き込みご飯にしたり、パスタに入れたり、炒め物にしたりできるため、水煮缶は個人的にかなりおすすめです◎
プルプル食感がくせになる「宇宙鯖缶」
最後は初めましての味。今話題の「宇宙鯖缶」です。

小浜の高校生たちが開発し、実際に宇宙食になった鯖缶を再現したものです。
噂では、中の液が固まっていると聞いていたので、ドキドキして開けてみると、噂通り固まっていてビックリ。

煮汁がゼリー状になっていて、揺らすとプルプルしています。
宇宙空間で液体が飛び散らないよう、実際の鯖缶は固めになっているのだとか。その固さをできるだけ再現するために、本商品も葛(くず)で粘度を上げているのだそうです。
また、「宇宙空間は味覚が落ちるから濃いめの味付けになっている」と聞いていたのですが、実際に食べてみると、私好みの甘辛い味付けでとてもおいしかったです。葛で固めてある液体の部分だけを食べると少し塩辛く感じますが、サバの身と一緒に食べるとちょうど良い甘辛さでやみつきになる味でした◎
パッケージも特別感があり、お土産にも喜ばれること間違いなしです。
鯖缶は毎日の食卓を豊かにする

今回の工場取材を通して、鯖缶に対する見方が180度変わりました。
ノルウェーから届く良質なサバ、職人たちの「血合い取り」や「手詰め」の技術、そして安心して食べられる徹底した管理体制。「当たり前においしい」の裏側にある途方もない手間暇こそが、長年愛され続ける理由なのだと肌で感じました。
福井缶詰さんの鯖缶は、小浜のスーパーやお土産屋さんはもちろん、楽天やYahooなどのオンラインショップでも購入可能です。ぜひお手に取っていただき、この感動を味わってみてください。
福井缶詰の詳細
◇住所:〒917-0081 福井県小浜市川崎1丁目1番地3
◇TEL:0770-52-3450
◇HP:https://www.fukuican.co.jp/
◇楽天:https://www.rakuten.co.jp/fukuican-mermaid/
◇Yahoo:https://shopping.geocities.jp/fukuican/
◇SNS:https://www.instagram.com/fukui_can/