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のうめん(おきな・ちちのじょう)

能面(翁・父尉)  

この面は翁の舞に用いられたものです。翁の舞は平安時代中期に翁猿楽として発生し、当時は仏教的寓意を持つものでしたが、室町時代に神道と結びつき、天下泰平や国土安穏を祈る神事能として行われるようになりました。古い形の翁舞では、翁・父尉・三番の三役で式三番を舞いましたが、鎌倉時代には延命冠者が加わり、さらに露払い役の千才の舞も登場しました。その後、父尉や延命冠者が省かれるようになりました。 翁と父尉の面がそろっている点からも、この面の古さがうかがえます。両面の材料はクスの木で、室町中期以降に多用されるヒノキではないことからも古い作例と考えられます。また、塗料についても、桃山時代以後の胡粉ではなく、それ以前の面に用いられた白土が塗られています。両面とも塗料はかなり剥落していますが、拡大鏡で観察すると父尉の面には白土に混じった雲母粉がきらめいて見えます。鼻の下面や穴の線などが平坦で素朴な印象を与える点からも、これらの面は室町中期までの作と考えられます。 両面ともボウボウ眉(綿や絹糸、兎の毛などを貼り付けた飾り眉)は失われており、材質は不明ですが痕跡が残っています。父尉の面は、通常は下顎に植毛を施しませんが、稀に植毛がある例もあり、加茂の父尉の面がその一例です。この父尉の面は特に彫りが美しく、塗料もきわめて細かいものを用いています。 管理者:加茂神社

種別 工芸品
指定区分
文化財名 能面(翁・父尉)  
員数 2面
時代 室町中期
指定日 1971年11月20日
地区 宮川
法量
一般公開 非公開
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