けんぽんちゃくしょく りょうかいまんだらず
絹本著色両界曼荼羅図
「羽賀寺縁起」によれば、「當寺法流事、中古受叡山之一流」とあり、文安4年の本堂再建時には天台宗であったと考えられます。その後、宝徳2年(1450)には「密師定乗来再真言之門」と記され、真言宗に転じたことがうかがえます。さらに「羽賀寺年中行事」の弘治2年(1556)の記述には、「両界八粗十二天等。願人護摩堂弘海。両部丹波弥九郎畫工筆。此弘海小南正照院法師。」とあり、真言系の両界曼荼羅・五大明王・十二天はいずれも絵絹や画様が同じであることから、同年の本尊開帳に際して真言宗正照院の僧・弘海によって一具が整えられたものと推定されます。 両界曼荼羅は、密教の根本経典である『大日経』と『金剛頂経』の内容を絵画化したもので、密教特有の世界観を図式的に示すものです。東に掛けられる胎蔵界曼荼羅は、中央に大日如来を主尊とする中台八葉院を据え、その周囲に十二院を配しています。これに対し、西に掛けられる金剛界曼荼羅は、中央上部の一印会に大日如来を安置し、中央から右回りに九会を配する構成であり、真言系曼荼羅の典型的な形式を備えています。 表現技法としては、諸尊の肉身に朱線、衣褶には墨線を使い分ける伝統的な手法に基づきつつ、金具はすべて黄土塗とし、全体に濁色系の彩色を施すなど、随所に形式化の傾向も見られます。現在の本図は縦157.0cm・横150cmの画面で、もとは幅41.5cmの荒目の絵絹5枚を横に継ぎ、表具部分も絵で表していたものと考えられます。若干の退色や剥落はあるものの、制作当初の艶やかな色彩をよくとどめています。 管理者:羽賀寺
基本情報
| 種別 | 絵画 |
|---|---|
| 指定区分 | 県 |
| 文化財名 | 絹本著色両界曼荼羅図 |
| 員数 | 2幅 |
| 時代 | 室町後期 |
| 指定日 | 2003年4月18日 |
| 地区 | 国富 |
| 法量 | 各縦157.0㎝ 横151.0㎝ |
| 一般公開 | 非公開 |