もくぞう じぞうぼさつざぞう
木造地蔵菩薩坐像
瑞伝寺の本尊である地蔵菩薩坐像は、古くから「子安地蔵」として近隣の人々の信仰を集めてきました。像高は87㎝、桧材の寄木造りで内刳りが施され、当初は全身に彩色があったと考えられます。正面を向き、左手に宝珠、右手に錫杖を持ち、左足をやや前に出してゆったりと坐す姿で表されています。顔は切れ長の目と張りのある頬をもち、整った容貌で、拝する者に安らぎを与える慈悲深い表情です。 当寺に伝わる「瑞伝寺本尊縁起」は『若州管内社寺由緒記』(延宝3年・1675)にも記録されており、これによれば寺は鎌倉時代の承元3年(1209)、当国の惣地頭・津々見右衛門次郎忠季の郎党、清原是定によって建立され、本尊は「安阿弥」(快慶)の作とされています。 近年の調査では、本像の体内背面に墨書が発見されました。これにより、本像が承元3年頃に造られたことが様式や構造の面からも裏付けられ、さらに縁起に記された人名とともに仏師の名も判明しました。仏師「幸千」は生没年は不明ですが、『西大寺有恩過去帳』(弘安3年・1280)に記された木造叡尊坐像胎内納入文書や、『春日社司祐茂日記』(嘉禎2年・1236)にも同名が見え、奈良にいた慶派の仏師の一人と考えられています。 管理者:瑞伝寺
基本情報
| 種別 | 彫刻 |
|---|---|
| 指定区分 | 県 |
| 文化財名 | 木造地蔵菩薩坐像 |
| 員数 | 1躯 |
| 時代 | 鎌倉前期 |
| 指定日 | 1995年4月21日 |
| 地区 | 国富 |
| 法量 | 像高87.0cm |
| 一般公開 | 非公開 |