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若狭に 春を告げる神事 お水送り

若狭おばまの神事のなかでも欠かすことのできない行事であり、毎年大変人気な行事である「お水送り」についてご紹介します。

若狭おばまのお水送りを語る上で、奈良の東大寺で行われている神事「お水取り」とのつながりは切っても切り離せないものです。
歴史的な背景も踏まえて、若狭おばまと奈良の東大寺とのつながりをご紹介します。

東大寺のお水取り

東大寺では3月12日にお水取りが行われます。お松明として親しまれている「修二会」のクライマックスとして、大変人気な行事です。
お水取りとは、東大寺二月堂のご本尊に捧げる水を汲み上げる神事のことで、二月堂境内にある「若狭井」からお水を組み上げます。

東大寺と若狭のつながり

さて、なぜ奈良の東大寺で「若狭井」という名前の井戸から水を汲むことになったのでしょうか?
実は、東大寺と若狭(小浜)には深ーい繋がりがあるのです。

例えば、東大寺初代別当(ざっくりいうと一番偉い人)である良弁和尚は、小浜の下根来出身だとか。(赤ちゃんのときに大鷲に拐われて、東大寺二月堂前の杉に引っかかっていたそうです)。他にも、東大寺大仏の建立に大きく関わったインド僧の実忠和尚は、若狭神宮寺に滞在していたことがあるだとか。
そんなお話の中で、特に現在でも続いているつながりが、東大寺のお水取りと若狭小浜のお水送りなのです。

小浜のお水送りは、お水取りの10日前、3月2日に行われます。
東大寺創建の折、大仏開眼供養に先だって、実忠和尚は天下世界の安寧を祈る行法を行なっていました。その際、行の加護成就を請うために「神名帳」を読み上げて日本国中の神様をお呼びになりました。すると、日本国中の神様が東大寺にお越しになったのですが、若狭の神様である遠敷明神は、漁が忙しくてすぐに来ることはできず、遅れてしまいます。行もあと二日で終わるといったときにようやく東大寺にお越しになった遠敷明神ですが、その行を見てたいそう感動されました。

すると、遠敷明神は「今後はこの素晴らしい行法において、観音様にお供えする閼伽水を若狭から送ろう」と約束されました。遠敷明神が神通力を発揮すると、二月堂の麓から白と黒の二羽の鵜が飛び出し、そこから泉が湧き出しました。この泉が「若狭井」であり、お水を送る約束は一度も破られることなく、約1,300年続いています。

若狭おばまのお水送り

お水を送る約束から始まったのが小浜の「お水送り」で、若狭から送られたお水を汲み上げるのが東大寺の「お水取り」というわけです。

お水送りが終わると若狭に春がやってくる、お水取りが終わると関西に春がやってくると言われており、どちらも春の訪れを告げる行事になっています。(実際に、お水送りが終わると小浜の天気は落ち着いてきます)

それでは、若狭おばまのお水送りとはどういったものなのでしょうか。

お水送りは、必ず3月2日に行われます。

小浜の「若狭神宮寺」の「閼伽井」で汲んだ水を様々な行によって清めたのち、若狭神宮寺から約2km離れた「鵜の瀬」と呼ばれる河原に、松明行列で閼伽水を守護しながら移動します。

その「鵜の瀬」から閼伽水を遠敷川に流すと、10日間かけて奈良の「若狭井」に届くとされています。
お水送りの行は、弓打ち神事や達陀などの見学が可能です。

松明行列は参加できる

松明行列はなんと見学だけではなくて、一般参加が可能です!(むしろ、参加しないと見学できません)。

約1,300年続く神事に参加できるという、貴重な体験が若狭おばまでできるのです。

3月2日、若狭神宮寺堂内で行う行の最終段階である達陀(大きな松明が出てくる、お清めの行で見学可能です。)が終わると、本堂前で行者による大護摩が修されます。

その大護摩の火から、行列の先頭を行く大松明(こちらは地元の人々が担ぎます)が火を取ると、中松明、手松明と続いて火をもらい、鵜の瀬に向けて松明行列が出発します。

中松明は5人程度からで担ぐもので、手松明は一人用となっています。松明には名前と御願い事を書いて、鵜の瀬で行われる大護摩にて御焚き上げします。

松明行列に参加するには

中松明または手松明の奉納(購入)すると、松明行列に参加することができます。

奉納は予約制になっており、中松明は若狭神宮寺への問い合わせとなっており、手松明は若狭おばま観光案内所で予約を受け付けています。

例年1月くらいから予約受付が開始しますので、参加される方はお忘れなく。

手松明予約方法

若狭おばま観光案内所にお電話ください。

お名前・お電話番号・ご住所・手松明の本数をお伝えください。

手松明の奉納料(2,500円/本)は、当日現金のみで受け付けております。

若狭おばま観光案内所

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